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ロルフィング®(Rolfing®)とは?

ロルフィング®(正式名称Rolfing®Structural Integration)は、生化学者であるアイダ P. ロルフ博士(1896~1979)によって確立された身体を構造的に統合するためのホリスティックなシステムです。アイダは、50年間にわたって、人間がより効率的に機能するための,バランスのとれた身体を創りだす手法を研究し開発しました。彼女は、身体の筋膜組織(Fascia)に手技により働きかけることにより、各部分があるべき配置に調整されると、肉体的あるいは感情的な傷(トラウマ)から解放され、肉体が機能的になるだけでなく、感情的、心理的そして精神的にも調和への変化- 統合がおこることを見いだしたのです。他の技法と比べユニークな点は,機能的で有機的なまとまりのある身体へ再教育し,外部環境との関係性,とりわけ重力に着目する点です。受け手が身体をより満足のいく状態(Well-being)へと移行するためのプロセス ,それがRolfing®です。 Rolfing®と名付けられたStructural Integrationは,The Rolf Instituteによって認定されたロルファー™から提供されます。 

 

エネルギー指向の教員とロルファーが集まり、2013年に上級教員のJeffrey Maitland らが中心となってロルフィングの再定義を試みました。

A Definition of Rolfing® Structural Integration

Rolfing® Structural Integration is the science, philosophy and art of
Integrating the body with the greater field of gravity. It is a systematic and holistic approach to manual therapy and movement education addressing multiple aspects of life including: how we stand and move in our bodies, the cultural and psychological beliefs which shape form as well as the energetic 
dimensions of being.  Utilizing a diverse array of techniques, practitioners of Rolfing®/Structural Integration, facilitate integration or remove the impediments to the integration of the whole person.
Integration is key to this approach and refers to the transformational changes in an individual’s tissues and structure, perceptual orientation, and sense of self in relation to their world and ease of movement through life.
 
Rolfing®Structural Integrationは、からだを重力場と統合するためのサイエンスであり、哲学そしてアートです。

私たちが身体を使ってどのように立って動くか、身体の形を決めている文化的心理学的信念、そしてエネルギー的な存在の次元を含む、手動療法とムーブメント教育への体系的かつ総合的なアプローチです。
 Rolfing® Structural Integrationのプラクティショナーは、多種多様な技術を利用して、統合を促進したり、人全体の統合に対する障害を取り除くことができます。
統合はこのアプローチの鍵となるもので、個々の組織や構造、知覚的な方向性、そして彼らの世界との関係における自己の感覚の変化、そして人生を通した動きのしやすさを指します。

 
 
In their continuing dedication to evolve this work, the Rolf Institute faculty has identified four approaches.
さらにロルフィングをこの先も進化させるのに4つのアプローチを特定しました。
 
1) Structural Techniques including myofascial techniques unique to Rolfing® that soften and lengthen tissue, 構造的な働きかけ -従来から用いられている筋筋膜解放のテクニックです。
2) Functional Techniques identifying habitual patterns of movement which may be hindering an individual’s coordination, grace and efficiency in movement. 動きの習慣的なパターンを特定する機能的な働きかけ - Rolf Movementが担当するところです。
3) Energy Techniques which directly facilitate structural integrity and cultivate a perceptual acuity to the resonant fields surrounding the body.エネルギー的なテクニックで、共鳴や知覚を用いて構造的な完全性に向かわせる
4) Psychobiological Techniques supporting the resolution of emotional fixations, worldview conflicts and other similar difficulties which undermine structure and an individual’s orientation to the world.精神生物学ー精神現象の生物学的基盤を研究する神経科学の一分野を通じての働きかけです。
 
Practitioners of Rolfing® Structural Integration, are trained in each aspect of this unique and transformative approach to whole body living, moving and sensing in our multi-dimensional  and complex world.

Rolfing SI と守破離

Before sharing my own trajectory of development, I would like to describe the process of developing mastery. I am reminded of the words of Sen no Rikyu, the master of Japanese tea ceremony, who said:
「規矩作法 り尽くしてるともるるとてもを忘るな」,
which I translate as “Discipline – after devoting yourself to the foundational practice, do not forget the essence, even if breaking or departing from the foundational practice.” Rikyu’s words show three stages of mastery, shu, ha, and ri.(守・破・離). Shu, which is the fundamentals; ha, which is breaking with tradition; and ri, which is parting with traditional wisdom.
When I interpreting these words in terms of our practice of Rolfing SI, the first stage, shu, is to follow and practice the Ten Series ‘Recipe’ as a formula until one is established in it. The second stage, ha, is to be able to modify it with other modalities or taxonomies to suit a particular individual client. The last stage, ri, is to have full command of the Recipe which also makes it possible to create one’s own unique way. Two things are important: 1) whatever stage the Rolfer is in, s/he must keep in mind of the Principles of Intervention that define the foundation of Rolfing SI; 2) the process of mastery requires that one not stay fixed at any given stage along the way.
 
Following the first (ha 破) stage, curiosity may lead the practitioner to encounter a new teacher or new modalities. In the process of studying something new in the ha破 stage, you need to find what modality or taxonomy you are good at. This means staying away from boredom and keeping a fresh and inquisitive mind in our day to day practice. When you feel bored with your work, it might be time to study something new or learn from a new teacher.
  
Rolfer's Note: 技法には型があり、それを守り只管修練する段階の「守」、そして、そこから様々な師から学んだものを取り込んで、改変する段階「破」、そして、その技法を使いこなし、型から離れてみずから創造する段階「離」どの段階にあっても、その本質を見失わないことが大切です。熟練し、その技法を進化させるためには、過去の実績や型に囚われることなく、次の段階へのシフトしつづけることが大切なのです。

ロルフィング®(Rolfing®)の原理と方法

 骨の構造のみでは直立できないように、骨をつないでいる筋肉や靭帯などによって初めて、姿勢が決まり立つことが可能です。身体をテントに例えるなら、骨は堅いポール部分に相当し、ポールだけをまっすぐにしようとしたり、1つのロープだけを修正しても、全体のロープのバランスを整えない限り、テントは上手く張れません。つまり支柱ではなく構造にとって重要なのは,周辺の柔軟な構造物の吊り合いや,張りだといえます。ロルフィングは、テントのロープやシート部分に相当する筋肉群のバランスを整えるために、筋膜や靭帯を通じて身体の構造を整えます。筋膜の物性と神経支配の筋肉の張力により,その筋肉全体の張力が決定するので,筋膜に直接あるいは,感覚器を通じて神経系と対話しながら,よりバランスされた状態を身体に入力していきます。制限されていた組織が有機的かつ適切な張力を回復することがきっかけとなって,自らバランスを再構成する潜在能が引き出されます。受け手の身体をどう捉えるかというロルファーのPerspective(観点)が,ワークの仕上がりに大きく影響を与えます。
基本的なロルフィングは10回のシリーズから構成され、受け手の身体が、持続的に快適なバランスを維持し、全身がつながりをもった美しい機能的な動きができるようにデザインされています。 いずれにしても,より自由で開かれた状態は,体験を通してのみ感じることができるのです。

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私のロルフィング®(Rolfing®)で行うこと

 ロルフィングには5つの根本方針(Principles)があり、それに沿ってセッションが組み立てられます。私の観点からは、以下の5つのモジュールで捉えています。最終的には、全体の連続性ですが、そこに向かうためには、ベースがしっかりしなければなりません。そうでなければ、一時凌ぎの気休めになってしまうからです。

1st モジュール:骨盤をしっかり支えられる脚・足のサポートを充実させる。

背面、前面。側面(外側・内側)の支えを扱います。
下部実2軸の充実

2nd モジュール:内臓の容れ物としての骨盤をしっかりさせる

骨盤を多方向から働きかけます。
上部虚2軸の充実

3rd モジュール:骨盤の中身、内臓空間

下部内臓の流動性と連続性。
2軸の連続性

4th モジュール:骨盤の上に頭がのるように

上部内臓の流動性と連続性。
2軸の接合線としての正中線が現れるのを待つ

5th モジュール:全体の連続性

全体性
2軸の分化と3軸の統合
 
session in SantaCruz
 
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身体の機能性を高め、自己の可能性を向上させるための確かな技法

オリンピックメダリスト、大リーガー選手、音楽家、作家など世界の一流の人々が、Rolfing®を推奨し、パフォーマンスの向上のみならず、さまざまなレベルに及ぶ変化を感想として述べています。学術的な研究結果も発表されており、UCLA運動力学科のValerie V Hunt博士らは、ロルフィング後の身体の動きがよりスムーズで自然でダイナミックかつエネルギーにみちていることを報告しています。また、John T. Cottingham PhD.らは、ロルフィングが交感神経を鎮め、自律神経を安定化させることを示すデータを報告しています。(Physical Therapy, vol.68,No.9.pp.1364,1988) 年齢を問わず,安全かつ確かに身体を根本的に調整するための技法として,Rolfing®をお勧めします。

ロルファーの養成および教育機関Rolf Institute

アイダ・ロルフ博士の存命中に設立され,彼女の遺産である基本ロルフィング®10レシピの本質を保存し,さらに発展させることと,その担い手であるRolfer™を養成する唯一の教育/認定機関が,米国コロラド州にあるThe Rolf Institute®です。身体統合に必要な解剖/運動機能学,生理学に関しての集中的な教育がなされ,入学試験や論文審査,実際のワークを経て,初めてロルファー(Rolfer™)として認定されます。正確で安全にストラクチュラルワークを行うためには,身体についての理解と手が必要不可欠です。
現在のRolf Instituteのカリキュラムでは,受け手の反応を尊重した痛みを強要しない効率的なやり方へと発展し,クライアントとの信頼関係も重視されています。アイダは,最期までInsitituteにおいてRolferの教育に当たっていましたが,彼女の没後も優れたインストラクター達が有効なアイディアを持ち込み,それらを統合しながら,カリキュラムは発展し続けています。画一的なマニュアル的手技を教え込むのではなく,受け手の身体に応じた柔軟な組み立てと,パーソナルスキルを確立できるようサポートするのがインストラクターの役目です。さらに,Rolfing®後の身体がより機能的となるためのRolf Movement® Integrationや,より深いレベルでの統合を引き出すためのAdvanced Rolfing®など,”その先”を学ぼうとする姿勢に応えるためのトレーニングを常に提供し続けているのがThe Rolf Instituteなのです。

 
Rolf Instittute

エネルギー指向の教員仲間

Kob10

Basic10シリーズ後にAdvancedシリーズ

ロルフィングの可能性 Possibilities

ロルフィングは,いわゆる治療とは異なるプロセスですが,交通事故などによるムチ打ちなどの後遺症や ,手術後の慢性的な痛みや違和感から回復する例も多く報告されています。これらの原因が,深部靭帯組織の構造的制限に由来している場合は有効となる可能性が高いからです。。
 さまざまな他の治療法を試したけれども,改善が認められなかった場合,ロルファーのスキルが結果に大きく関係してきますが,ロルフィングを試してみる価値は十分あるでしょう。最後の選択として,ロルフィングと出会う方も少なくありません。受け手側の変化に対する容量にも依存するので,過剰な期待は禁物ですが,身体パフォーマンスの向上はもちろん,老化のプロセスを遅らせるなど等 ,ロルフィングにはさまざまな可能性が潜んでいます。
また,ロルフィングは,肉体のみならず,さまざまなレベルに影響が及び,深い体験を伴うこともあります。人生のターニングポイントで受けたり,ロルフィングを受けることがライフスタイルを変えるきっかけになることもある”あなどれない”プロセスです。

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